気になる更年期障害の症状|不快な症状は病院で治療しよう

看護師

大腸の難病に挑む

お腹を押さえる男性

大腸全摘でもQOL向上

お腹が弱い体質でしょっちゅう下痢や腹痛を起こしている人の苦労は、他人になかなか理解されにくいものです。ストレスが主な原因と言われる過敏性腸症候群も増えていますが、潰瘍性大腸炎は治りにくい病気として特に知られています。潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の一部または全体に炎症や潰瘍が広がる点で過敏性腸症候群と異なります。慢性的な下痢と腹痛の他にしばしば血便も見られ、何年にもわたって寛解期と再燃期を繰り返すのもこの病気の特徴です。難病にも指定されている潰瘍性大腸炎は原因がはっきりしていないため、完治させるのは難しいと言われてきました。粘膜の炎症を抑えるための薬物療法の他、白血球除去療法など免疫系に働きかける治療が行われています。こうした内科的治療でも症状が改善せず重症化した場合や、内科療法が難しい人には外科療法が適用されます。すなわち、すべての元凶となっている大腸そのものを手術で全摘する方法です。手術によって大腸が失われるため、従来は小腸に人工肛門を取り付ける必要がありました。現在では小腸と肛門との間にJポーチとも呼ばれる回腸嚢を設置する手術が主流です。これにより術後のQOLも大きく向上しています。

除菌療法と糞便移植療法

潰瘍性大腸炎の手術でも以前は大腸の中の結腸部分を全摘出し、回腸と直腸を直接結ぶ方法が多く行われていました。しかしながらこの回腸直腸吻合術は再燃の危険性が高いことから、現在は限定的な実施にとどまっています。回腸と肛門との間にJポーチを置く方式でも、直腸をわずかに残す方法と残さずに人工肛門を取り付ける方法があります。前者では炎症を起こす可能性のある直腸の粘膜を取り去ることで、肛門機能を残すことが実現しました。こうした手術も実績の多い外科医ほど成功率が高く、術後のQOLも確保されます。現状では以上のような方法が主流ですが、将来は潰瘍性大腸炎の治療も大きく変わりかもしれません。現在一部の医療機関では大腸の除菌療法が実施され、一定の成果を出しています。一方では糞便移植療法というユニークな方法も研究が進んでいます。健康な人の便を生理食塩水と混ぜて内視鏡で患者さんの大腸に注入することにより、腸内細菌を健全化させようという試みです。潰瘍性大腸炎に有効な新薬も、つい最近日本で開発されました。手術の進歩や新しい治療法の登場によって、難病と言われたこの病気も治る病気へと認識が改まりつつあるのです。